作業療法士toshiの就労支援

作業療法士であるtoshiが就労支援についての情報を定期的に発信します。

職場で利用すると便利なツール

こんにちは、作業療法士のToshiです。


本日は、高次脳機能障がいの方が
「職場で利用すると便利なツール」
についてまとめていきます。


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1,なぜツールが必要か?
2,目的ではなく手段
3,ツールの種類



高次脳機能障がいのある方に様々なツールを用いて目的に沿った行動をガイドすることはとても有効な手段です。

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1,なぜツールが必要か?



高次脳機能障がいの方にとって同時処理が難しいため、課題遂行している途中で


「今、何をしていたのか?」
「何のために行動していたのか?」


が分からなくなってしまい指示されたことと違うことを行っていたり、試行錯誤を繰り返したり混乱したりすることはしばしばみられます。それらを解決する手段として様々なツールがあります。


職場では、正確に、そして素早く業務遂行していく能力が求められます。そして業務遂行するためには、


常に

「目的に沿って」「行動をする」


能力が必要となります。



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2,目的ではなく手段



ツールを使用することは、
①目的に沿って
②行動をする
③ツールを使う。


ことが必要となります。



活用する事には、本人の能力や特性を十分に理解しておくことが重要になります。


人によってはツールを使わずに繰り返し、身体で覚える方が有効の人もいます。


ツールは目的ではなく手段です。



ツールを活用すればすぐに自立するものではなく、
時間をかけて活用できるようになります。
周囲の継続的なフォローが必要となります。


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3,ツールの種類



①職場アセスメントシート、
②行動手順書
③作業の手順書
進捗管理
⑤入口・照合定規
⑥作業指示書
⑦明治の方法



①職場アセスメントシート
職場で安定して働くためには単に業務の内容が適合していれば全てうまくいくものではなく、

様々な要素(職業能力や性格、人間関係、職場のルール、事務所内の雰囲気、始業時間、終業時間、休憩時間など)の組み合わせがマッチしているかがポイントになってきます。


職場の要素を様々な角度から情報収集しておくことが大切になります。


どのようなところが仕事のしづらさに影響を与えているのか整理するためにも、「職場アセスメントシート」を活用し、高次脳機能障がいのある方が働きやすい環境づくりに役立てられるといいと思います。




②行動手順書
「いつ」「どこで」「何をするのか」を把握して、出勤から退勤までの行動を時間に沿って1日の流れを整理したもの。

注意、記憶、遂行機能障がいなどの症状がある場合、手順書は有効です。




③作業の手順書
仕事の手順を一つひとつの行動単位に細分化し、時系列に沿って並べること。注意、記憶、遂行機能障がいなどの症状がある場合は、課題分析を行い業務内容を定型化していくことが有効です。また、作業の手順書を作成することで自立して業務遂行がしやすくなります。


本人や職場の状況に合わせて、カスタマイズしていくことが必要。




進捗管理
日をまたぐと、仕事をどこまでやったのか、提出したのかなど、分からなくなってしまうことが出てきます。メモリーノート等を活用して、進捗管理をする方法もありますが、職場内で完結することですので、専用の進捗管理表を活用するのも一つの方法です。


使用法、仕事の指示があったら、作業内容(目的・注意事項)納期などを確認し、記入をする。すぐに終わらない仕事は進捗状況を記載し、終了した納品日を記載する。




⑤入口・照合用定規
パソコン業務では資料・手順書などが必要となりますが、注意の切り替えが苦手な人が多く、自分がどこまで行ったか分からなくなり、ミスを犯すことが見られます。


このような場合に定規の活用で誤入力を防止できます。
入力・照合用定規の使用法、手順書及び入力する元データの見るべき箇所に、定規を使用します。定規の上の手順を見る→手順に沿って作業する→終了したら定規をずらすを繰り返し、習慣化するまで声かけをするといいとされています。




⑥作業指示書
口頭指示するとすぐに忘れていたり、一度に多くの指示をすると一つのことしか覚えていなかったりなど、指示したことを忘れてしまうことはよく起こります。そこで作業指示書を活用することで、指示の行き違いを防止します。


使用方法、誰から誰への指示かが分かるように記載する。一度に多くの指示を出す場合は、優先順位(番号)をつける。




⑦明示の方法
ラベルや張り紙などで注意する事項を明示することは重要です。


記憶障害が重篤な人にとっては、毎回、はじめてやっているのと同じような感覚になります。そのため、初めての人でもすぐに分かるような環境を作りが重要です。


行動を観察し、行動を遮るようなポイントに張り出すことが有効です。



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高次脳機能障がいのある方に様々なツールを用いて目的に沿った行動をガイドすることはとても有効な手段です。


その人がその人らしく、よりよく生活していくためには周囲の方のサポートが必要です。皆が障がいに対する正しい知識を深め、症状に対する対応方法を学んでいくことが必要と考えます。


最後までお読みいただきありがとうございます。
参考にしていただければ幸いです。




〇参考図書:50シーンイラストでわかる高次脳機能障害「解体新書」―こんなときどうしよう!?家庭で、職場で、学校での“困った"を解決! 単行本 –名古屋市総合リハビリテーションセンター | 2011/11/16